- 2013〜2015年度は「Hib、肺炎球菌、HPV及びロタウイルスワクチンの各ワクチンの有効性、安全性並びにその投与方法に関する基礎的・臨床的研究(厚生労働科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業、日本医療研究開発機構 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業) 」で小児侵襲性細菌感染症の人口ベースアクティブサーベイランスを実施した。
- 2016〜2021年度は「ワクチンの実地使用下における有効性・安全性及びその投与方法に関する基礎的・臨床的研究(日本医療研究開発機構 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業)」において、サーベイランスを継続した。
- 2022年度〜2024年度は「既存ワクチンの有用性検証および今後の予防接種施策の向上に資する基礎的・臨床的研・疫学的研究(日本医療研究開発機構 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業)」において、サーベイランスを継続予定である。
- 上記研究期間に以下の論文を公表した。
- Suga S,et al. Nationwide population-based surveillance of invasive pneumococcal disease in Japanese children: Effects of the seven-valent pneumococcal conjugate vaccine. Vaccine. 2015; 33: 6054-60.
- Suga S,et al. Nationwide population-based surveillance of invasive Haemophilus influenzae diseases in children after the introduction of the Haemophilus influenzae type b vaccine in Japan. Vaccine. 2018; 36: 5678-84.
2008/1-2023/12 小児 IPD 由来肺炎球菌の血清型分布(n=1587)
2008/1-2013/12 小児 IPD 由来肺炎球菌の血清型分布(n=729)
2014/1-2023/12 小児 IPD 由来肺炎球菌の血清型分布(n=858)
小児IPD症例の血清型サーベイランスの評価
2008~2010年(ワクチン導入前)の罹患率(5歳未満)と比較し、2023年は
- 髄膜炎 70.2%減少
- 非髄膜炎 82.5%減少
- 侵襲性肺炎球菌感染症 81.2%減少
2023年の血清型分布
- PCV13含有株:2.5% PCV13非含有株:97.5%
- PCV15含有株:10.0%
- PCV20、PPSV23含有株:35.0%
基礎疾患保有状況
小児(15歳未満)IPD患者の基礎疾患の詳細(2014-2021)
肺炎球菌性髄膜炎の状況
小児髄膜炎由来肺炎球菌株の血清型分布
小児髄膜炎由来肺炎球菌株のPCG感受性比較
肺炎球菌性髄膜炎のまとめ
- PCV13導入後、PCV13含有血清型株が減少した。
- PCV13導入後のPRSPは、全体の35.8%であった。
- 初期治療選択薬として、発売中止となったPAPM/BPが多く使用されていた。CTX(CTRX)+VCM使用例は、全体の26.4%であった。
- 初期ステロイド使用例は、全体の65%であった。
- 予後不良例は9例あり、予後判明例の20%を占めていた。基礎疾患ありは2例のみ。全て非PCV13非含有血清型株であった。